2015年9月27日日曜日

第2回神奈川支部講演会「くまもりは、どうあってもクマを守る」を開催しました

日本熊森協会神奈川支部では、922日に横浜市技能文化会館(横浜市中区)で第2回講演会「くまもりは、どうあってもクマを守る」を開催しました。



会場では、当協会の書籍やグッズなども販売。多くの方々にご来場いただき、どうもありがとうございました。



当日は、元山形大学農学部文部技官である佐藤八重治氏が「ツキノワグマと暮らす20余年」と題して講演。ツキノワグマのクロちゃんと暮らし始めた経緯や体験などとともに、クマとの暮らしで感じた思いや母クマの愛情深い様子などを紹介。同時に放映した『クロちゃん子育て奮戦記』の貴重な動画に、思わず歓声もあがりました。




佐藤氏はツキノワグマのやさしさに触れ、「ツキノワグマはメスで80100kgくらいで、基本的に肉や魚を食べません。絶滅危惧種でありながら、正確には分からないが、毎年多くが殺されています」と述べ、「私はクロちゃんと暮らすことで人生が変わりました。ぜひ、多くの人にクマの実態を知ってもらいたい」と結びました。






森山まり子会長は、「くまもりは、どうしてそこまでクマを守ろうとするのか」と題して講演。最初に、日本熊森協会はクマとその生育地である森や山をセットで守る団体であることを強調し、クマがなぜ必要なのか?なぜクマをシンボルとしたのか?を説明しました。



大きく3つの理由があります。
クマは早晩絶滅する可能性が高い動物であること(ワシントン条約では絶滅の恐れが高い種とされ、国際自然保護連合ではツキノワグマは野生絶滅が高いとしています)

アンブレラ種であることつまり日本で一番大きな動物であるクマを守ることで、様々な動物とその暮らしを守ることができる(ケニア国立公園のオリンドウ博士では、アフリカゾウを守ることを提唱)

日本の貴重な落葉広葉樹林である水源を守っている(野生のクマは、湿地や広葉樹林の森など、色々な環境がないとクマは生きていけない→その環境には多くの動植物が生育している→シンボルであるクマを守れば、命の源である水源と動植物も守れる)

また、大阪府で誤って捕獲されたクマを熊森協会会員が協力して救った記録も放映。森山会長は、「人とクマが共存するためには住み分けが必要で、動物から奪った奥山生息地をクマや動物に返すことが重要」と締めくくりました。

詳しくは、以下をご覧ください。

一般財団法人日本熊森協会 http://kumamori.org


(な)

2015年9月21日月曜日

くまくま園のご報告2

研修、1日目後半です。

秋田の深い森を見たあと、いよいよ、くまくま園へ!



可愛いポスターです!



来園者の方のフォトコンテストの中の一枚です。
土だらけ!(※@ v @※ )



トイレの表示もクマさんで可愛いですね!(^ ^ )



ここで少し、森山会長たちがいらっしゃる前、
秋田県庁の職員で、ヒグマ飼育に当時関わられた獣医さんなどからご挨拶をいただきました。
わたしは事情を知らず、
呆然と聞いていたのですが、
どうやら何かあったらしいというは分かりました。
皆さん、感無量、といった表情をされていました。

のちにこれが衝撃的な事件を示唆していることを知ります。



そして、ここでやっと、トラブル続きで大変な道中だった
森山会長チームと合流しました。

森山会長チームは、クマさんたちにと、
たくさんフルーツを持ってきていらっしゃいました。(^ ^ )



くまもりメンバーということで、なんと特別、
ヒグマさんたちがご飯を食べる時、
バックヤードに入れさせて頂きました。
見えるかな?
女の子は、少ない子で3キロ、
男の子は多い子で7キロ食べるみたいです、
食べる量、倍以上ですね!




クマ牧場の場長、(く)さんです!
とてもがんばっていらっしゃいました。



ご飯をあげる前、館内中に
ガンガンガン!!と、
イチローが力強く檻を叩く音が、
どこかの民族の打楽器のように、響き渡っています!!

ウオーンウオーンと、ハナコかフネかワカメ?かな?
色んな女の子も、お腹が減ったと鳴いています!( ^ ^ )

とてもにぎやかです!



1日に1回なので、
とってもとってご飯がも待ち遠しいみたいでした!( ^ ^ ) 



わーー!!いました!!(^ v ^ )
ほんとにおっきいです!!!2mくらいあるかな?

手も、おっきいです!


ちょうだいちょうだい!




上にダストシュートがあって、ご飯が落ちてきます。
みんな、必死でもぐもぐされていました!(^ ^ )
この子は脇にウンチが。。(^ ^ ; )
他の子たちは、大体はじっこにウンチをしていましたが。。( ^ ^  ;)



このあと、わたしは突然バナナ係になり、
クマさんみんなにバナナを配って歩いたので
写真がないのですが、
バナナはあまり、食いつきがよくありませんでした。

キウイはまあまあ食べてて、
リンゴは、みんな!大!好きでした!!
(帰宅してから早速アマゾンで、リンゴを注文して送りました!(^ ^ ) )



そして、その後、ツキノワグマのいるフィールドを
見せて頂きました。


か、かわいい。。




ぐてーっとしたり、ブラブラしたり、
みなさんわりとノンビリされていました。



この子は、31才で、人間だったら
100才を超えるおばあちゃんだそうです!

ん?と見上げています。



そのあと、すぐ近くにある、くまくま園の経営もしている
打当温泉(ホテル)へ行き、
併設されているマタギ資料館を見学しました。
わあ。。。



わたしはその後、ご飯の席で、

少し前、八幡平クマ牧場というところで、
クマさんに飼育員の女性2人が食べられてしまった事件、

その後くまもりが、その経営者の方に助けを求められ、
ものすごい奔走をされて、安楽死させられる寸前だった
全てのクマさんを助けて、
阿仁市の「くまくま園」へと移送したことを知りました。

秋田市の協力のもと、去年の7月にオープンしたそうです。


女性を食べてしまったクマさんは、とても飢えていたそうで、
施設も老朽化していたそうです。
経営者の方もクマさんも悪いわけでなく、経営が行き詰まり、
みんなとても大変だったそうです。


わたしはそんな衝撃的な悲劇も知らず、このツアーに参加して、
これは大変なことを知ってしまったな。。と考えました。


沢山いらしていた、関係者の方々の、
「大きくなったな~!」とおっしゃっていた、慈愛に満ちた目、
「最初は怖かったけど、どんどん可愛くなっていく」と、
ニコニコおっしゃっていた表情、
「ビックは恐がりで、2年たってやっと運動場に出たんだよ、」
とおっしゃっていた愛おしそうな眼差し、、、

全てが重く深い意味を持って、再び頭の中で再生されました。


つづく

2015年9月14日月曜日

くまくま園のご報告

こんにちは。


7月18日から20日まで、3日間、
くまもり本部企画の、秋田への研修に、
東京副支部長、(に)さんと共に行かせていただきました。

私(た)は、諸事情により、実はほとんど何も分からないままの出発でした。


大変申し訳ないのですが、
旅が終わってから、この旅行の目的は、
「くまもりが助けたクマさんたちが沢山いる「くまくま園」と、
野生のクマが沢山棲む秋田の深い森を見て、
ガイドさんやマタギの方たちのお話を聞き、
その経験をもとに秋田へのツアーを企画する」
というものだったと知りました。


結果を先に書きますと、
わたしのように、気持ちはあっても、
時間がなく、あまり参加でず、知識もほとんどないような者でも、
かなり楽しめたうえに、とてもとても感動しました。


個人的に、みなさんにもぜひ行ってもらいたいと強く思いました。


くまもりに参加されているような方々なら、
非常に楽しめ、得る物も無限と言っていいといいほど、
かなり濃い内容でした。


簡潔にまとめるのがもったいないので、
長くなってとても申し訳ないのですが、何度かに分けて書かせていただきます。




それでは、1日目からです。
早朝、関西からの本部の方達5名と羽田で合流しました。
しかし、飛行機トラブルで、森山会長達とは会えずじまい…


飛行機に乗っていたのは1時間ちょっとでした。
秋田は、思っていたよりかなり近いです!


大館能空港では、
大きなナマハゲがお出迎えしてくれました。

とても小さな可愛い空港で、
地元の方が作った農産物(干しぜんまいなど!)、
そしてカップラーメン(!)などが
売っていました。


森山会長たちとは、この時点でまだ合流できませんでした。(@ @ )


バスで移動中、
NPO「冒険の鍵クーン」からのガイドさんが合流します。
空港から、終始、ずっとずっとずーーーーーーーっと、
山、山、山、森、森、森、草、草、草、木、木、木、
ごくたまにお家です。
(信号が、一本も!ありませんでした!)

秋田は、(この地方は特にらしいのですが)、すごい緑率です!




クーンさんは、まずは森吉山麓高原の、
野外活動センターへ連れて行ってくださいました。


「クマに注意!」
わたしはこんな張り紙を、人生で初めて見ました!
ドキドキします。


この周辺のクマさんの目撃情報は、かなり多いそうで、
施設の方々が撮った写真なども、施設の方々自らがみせてくださいました。

みなさん嬉しそうにされていて、
どなたも怖がっていらっしゃらないという
印象でした。



そこではお昼を食べながら、
くまもりともかねてから交流のある方に、
周辺に設置したカメラに写るクマさんを見せて頂きました。


クマさんは、どうやら看板がお好きなようでした!
(色んなクマさんが看板に興味を持つ写真、動画がたくさんありました)



その後、クーンのガイドさんに、
少し人の手の入った森を見せていただきます。

非常に立派な、樹齢300年を超えるようなブナが、
かなり沢山、元気にしていました。

色んな実も、沢山なっていました。


こちらが、クマさん達がとてもこだわっていた看板です。



クマさんたちが齧ってボロボロにしていて、
毛もかなり沢山ついていました。
(ついでにイモ虫さんもついています)




ベンチもボロボロに齧られていました!
牙の跡も見えました。



大きなナメクジも発見しました!!
(10センチくらいでした!)


こちらはツル状の紫陽花
(ツルアジサイとイワガラミというそうです)が2種類、
ブナに絡まっているところだそうです。
(わたしはブナも、ツル状の紫陽花も、生まれて初めて見ました)



こちらは「くろもじ」という、個人的に
衝撃的だった木です。
(本部の方々はみなさん知ってらっしゃいました)
枝の黒さは地衣類によるもので、
葉っぱがミントのような香りでした!
とてもいい匂い。。。!
(早速お土産に「くろもじ」のお茶を買って、毎日飲んでいます!)





これはトチの実です!



蝉が、羽化しているところにも会いました!
(見えますか?真ん中です)



これはヤマブドウです。(下のほうです)



こちらはフキです。



タラの木です!こちらも私は初めて見ました!
タラの芽の正しい取り方を教えて頂きました。



こちらも、非常に私に取っては衝撃的だった、
ブナの模様についての写真なのですが、
ブナの表面のこの模様は、全て地衣類によるものだそうです。
(地衣類に覆われてないところはないそうです)
それなので、模様は1本1本異なるそうです。

大気が悪くなると、まず地衣類が死ぬので、
木肌が真っ白になるそうです。



森の外では、ポットの中で小さいブナなどを、
沢山育てていらっしゃました。
この形ならば、訪れた方たちが植樹しやすいそうです。




その後、少しだけ移動して、
同じ敷地内の野生鳥獣センターに行きました。

そちらにあった看板です。
キリっとされていますね。
やっぱりドキドキしました。



展示されていた写真です。
赤ちゃんの頃、こんなに可愛いんですね。。!



こちらは野生鳥獣センターの裏手にある、
人の手が入ってない方の自然林だそうです。

本部の、色々な山々を見て来た方々が、
みなさんどちらの森も、
「下草が豊かであること、森が明るいこと、全ての種類の葉が大きいこと」
に、とても感動されていました。



こんなに大きなカタツムリもいました!


こちらは、最初、でっかい小松菜なのかな?!
(1mくらいありました!)
と思ったのですが、なんと水芭蕉でした!
2mにはなるそうです!



わたしはほとんど森や山を知らないので、
衝撃を受けてばかりでしたが、
本部の方達も衝撃を受けてらしたので、
本当に特異な素晴らしい森なのかなあ、、と思いました。


というわけで、ひとまずとても豊かな森の訪問は終わり、
いよいよくまくま園へ向かいました!


つづく